https://friday.kodansha.co.jp/article/324603
「思っていた通りの展開」…サイボウズ青野社長に聞く「マイナカード」トラブル解決の唯一の方法とは
2023年08月01日 FRIDAY
デジタル社会と言いながら「コンビニで住民票を発行できます」と自慢するセンスが理解できません
マイナンバーにまつわるトラブルが、岸田文雄首相が「国民の不安を払拭する」と宣言して以降も後を絶たない。それでも、改正マイナンバー法の成立によりマイナンバーやマイナンバーカードの利用範囲は拡大していく。
マイナンバーの問題が解決されないまま、マイナカードは普及に突き進んでいいのか。かねてマイナカード不要論を唱えていたIT企業サイボウズ社長の青野慶久さんは、現状をどう見ているのだろう。
「だいたい予想していた通りの展開になっています」
青野さんから予想通りの一言が返ってきた。
公金受取口座の誤登録や年金記録のひもづけミスなど、マイナンバー関連のトラブルは何が原因で起きているのか。
「問題を個別に見ていくと、それぞれに原因はあると思います。さまざまなトラブルが続けて起きるのは、しっかり検討せずにシステムをつくったからでしょう。システムにトラブルはつきものですが、下手な人が設計するとぼろぼろと問題が起きます」
マイナンバー制度を支える中核システムを設計・開発したのは、総務省とデジタル庁が所管する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が業務を発注したIT大手5社だ。
「マイナンバーのシステムはもともと複雑です。受注した業者にもちろん問題はあるでしょうけど、システムが複雑になるようなマイナンバー制度を、ITをよく理解していない政治家がつくったことも問題。その制度がちゃんと整備されないままシステムが走ってしまったんだろうと思います」
河野太郎デジタル大臣は国会で、相次ぐトラブルについて「一連の事案の原因は事務処理の誤りなどさまざまで、マイナンバー制度そのものに起因しているわけではない」と述べた。マイナンバーシステムの問題ではなく、人的ミスだと言わんばかりの主張だ。
たとえばマイナカードと健康保険証の情報をひもづける作業は、担当の職員が手入力で行う。確かに誤入力が起きる可能性はあるが、入力の誤りを検知するシステムが導入されていれば、ひもづけミスは防げたのではないか。
「国はデジタルなシステムをつくったはずなのに、なぜ手作業が発生するんでしょうか。マイナカードのサイトを見ると、“行政手続きが簡素化されて国民の利便性が向上する”というようなことが書かれていますが、その前に行政職員の負担が増えている。マイナカードがコンセプトに沿ったものになっていないということですよ」
政府はマイナカードを「デジタル社会のパスポート」と呼ぶが……。
「マイナカードを使った住民票のコンビニ交付に、僕はすごく違和感があるんです。なぜ住民票を“出力”しないといけないのか。紙の証明書をなくすために、国はマイナカードを国民に持たせようとしているんじゃないんですか? わざわざ証明書を出力しなくてもスマホで見せて手続き終了となるなら便利ですけど、結局は保有するカードが増えただけで紙は減らない。デジタル社会と言いながら『コンビニで住民票を発行できます』と自慢するセンスが理解できません」
(略)
「思っていた通りの展開」…サイボウズ青野社長に聞く「マイナカード」トラブル解決の唯一の方法とは
2023年08月01日 FRIDAY
デジタル社会と言いながら「コンビニで住民票を発行できます」と自慢するセンスが理解できません
マイナンバーにまつわるトラブルが、岸田文雄首相が「国民の不安を払拭する」と宣言して以降も後を絶たない。それでも、改正マイナンバー法の成立によりマイナンバーやマイナンバーカードの利用範囲は拡大していく。
マイナンバーの問題が解決されないまま、マイナカードは普及に突き進んでいいのか。かねてマイナカード不要論を唱えていたIT企業サイボウズ社長の青野慶久さんは、現状をどう見ているのだろう。
「だいたい予想していた通りの展開になっています」
青野さんから予想通りの一言が返ってきた。
公金受取口座の誤登録や年金記録のひもづけミスなど、マイナンバー関連のトラブルは何が原因で起きているのか。
「問題を個別に見ていくと、それぞれに原因はあると思います。さまざまなトラブルが続けて起きるのは、しっかり検討せずにシステムをつくったからでしょう。システムにトラブルはつきものですが、下手な人が設計するとぼろぼろと問題が起きます」
マイナンバー制度を支える中核システムを設計・開発したのは、総務省とデジタル庁が所管する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が業務を発注したIT大手5社だ。
「マイナンバーのシステムはもともと複雑です。受注した業者にもちろん問題はあるでしょうけど、システムが複雑になるようなマイナンバー制度を、ITをよく理解していない政治家がつくったことも問題。その制度がちゃんと整備されないままシステムが走ってしまったんだろうと思います」
河野太郎デジタル大臣は国会で、相次ぐトラブルについて「一連の事案の原因は事務処理の誤りなどさまざまで、マイナンバー制度そのものに起因しているわけではない」と述べた。マイナンバーシステムの問題ではなく、人的ミスだと言わんばかりの主張だ。
たとえばマイナカードと健康保険証の情報をひもづける作業は、担当の職員が手入力で行う。確かに誤入力が起きる可能性はあるが、入力の誤りを検知するシステムが導入されていれば、ひもづけミスは防げたのではないか。
「国はデジタルなシステムをつくったはずなのに、なぜ手作業が発生するんでしょうか。マイナカードのサイトを見ると、“行政手続きが簡素化されて国民の利便性が向上する”というようなことが書かれていますが、その前に行政職員の負担が増えている。マイナカードがコンセプトに沿ったものになっていないということですよ」
政府はマイナカードを「デジタル社会のパスポート」と呼ぶが……。
「マイナカードを使った住民票のコンビニ交付に、僕はすごく違和感があるんです。なぜ住民票を“出力”しないといけないのか。紙の証明書をなくすために、国はマイナカードを国民に持たせようとしているんじゃないんですか? わざわざ証明書を出力しなくてもスマホで見せて手続き終了となるなら便利ですけど、結局は保有するカードが増えただけで紙は減らない。デジタル社会と言いながら『コンビニで住民票を発行できます』と自慢するセンスが理解できません」
(略)
ブログ管理人より
FRIDAYの記事。サイボウズ青野社長の考え方に共感した。ITを分かっているから、マイナカードが失敗した原因がよく分かる。このままだと勝てない戦争を強引に進め敗戦して同じ轍を踏むことになりそうだな。
FRIDAYの記事。サイボウズ青野社長の考え方に共感した。ITを分かっているから、マイナカードが失敗した原因がよく分かる。このままだと勝てない戦争を強引に進め敗戦して同じ轍を踏むことになりそうだな。
コンビニで住民票出力する件にしてもデジタル化するんだから、わざわざ紙に印刷するアナログなことをせずに、スマホの画面で住民票の内容を見せればいいわけでですしね。
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