社会的地位の格差がDVを作り、DVから抜け出すための大事な相談員の仕事も、相変わらず不安定な雇用で、女性にやらせている。なんという皮肉ですか。
— 大石あきこ(れいわ新選組)Akiko Oishi (@oishiakiko) May 10, 2023
大事な相談員を正規雇用にするビジョンはありますか。
使用フル動画はこちら☟https://t.co/nTtFYdEOnj
※staff更新 pic.twitter.com/dWV45acR6J
https://www.asahi.com/articles/DA3S15576478.html
(ThinkGender)非正規公務員、女性しわよせ DVの相談員、低待遇に疲弊「限界」
2023年3月9日 5時00分 朝日新聞デジタル
公務員の非正規雇用への置き換えが進み、大半を女性が占めている。専門的な知識が必要な仕事でも低賃金で、多くが有期雇用だ。ジェンダー不平等を解消する旗振り役であるはずの自治体で格差が生み出され、「官製ワーキングプア」と批判されている。
「もう限界だ」。広島県内の自治体で婦人相談員の仕事を約8年続けてきた藍野美佳さん(54)は2021年春、退職を決意した。DV(家庭内暴力)に苦しむ女性を支援する仕事に使命を感じていたが、非正規の待遇の悪さに追い詰められた。
月14万円あまりの給料から税金や家賃、光熱費などを引くと、手元にほとんど残らない。夜はファミレスやホテルで清掃の仕事をし、週末もバイトを入れた。「相談員の仕事を続けるためだった」と話す。
自身も夫からDVを受け、民間シェルターの支援を受けて離婚。3人の子を抱えるシングルマザーになった。「同じ境遇の女性たちの力になりたい」と13年夏、婦人相談員になった。
啓発のチラシや相談窓口の案内を記したカードを公共施設の女性トイレに置くと、相談は1・9倍に増えた。危険度を測るため、女性たちには「相手に首を絞められたことがありますか」と必ず聞いた。階段から突き落とされた人、殴られて骨折した人がいた。
難しいケースをいくつも抱えて過労に陥り、最初の3年で2度、医師から就労不能の診断を受けた。しかし、わずかな傷病手当しか出ず、十分に休養することもかなわなかった。
コロナ禍では「夫に居場所を知られずに給付金を受けられるか」という相談が増え、心身が限界に。「仕事に見合った待遇を」と自治体に求めたが、財政難を理由に変わらない。一方で、定年を迎えた男性の正規職員が年収500万円超で再雇用されたと知り、離職に傾いた。
いま、都内で女性支援の仕事に就いている。正規職で残業代も出る。「婦人相談員は専門的な知識や経験が重要なエッセンシャルワーカー。いつまで劣悪な労働環境においておくのか」
九州地方の自治体で、ひきこもり支援相談員として働く女性(53)も、今年3月末に職場を去る。当事者に長い期間で関わる仕事だが、雇用は1年単位。ミスマッチを感じてきた。「ひきこもりが長引くと、心身の病気を招くことがあり、命に関わる仕事だ。同じように命に関わる警察や消防が非正規でいいと言う人はいないのに」と話す。
日給制で、年収にして220万円。「辞めないで」と慰留を受けているが、契約更新は2回までとのルールを一律にあてはめられ、今年は「公募の面接を受けるように」と上司に言われた。尊厳と誇りをもって働けないと、退職を選んだ。
■4分の3が女性、行政の足元で格差
1990年代半ば以降、公務員の削減が進んだ。自治労の調査では、94年に328万人だった公務員は2016年には274万人に減った。一方、定数外職員は約3倍の64万人に増えた。女性が多い事務職員や保育士、図書館職員が非正規に置き換わり、相談業務の多くも女性が非正規で担う。20年の総務省の調査では非正規公務員の4分の3を女性が占めた。
公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の調査では、非正規公務員の79%が年収250万円未満。回答した705人のうち、92%が女性だった。
賞与を出せるなど、待遇改善を図るとして、会計年度任用職員制度が導入されたのは20年。だが、時給や労働時間を切り下げた自治体が多く、収入増にはつながっていない。「契約更新は2回まで」という自治体も多く、今春は雇い止めが大量に起きるとみられる。
埼玉大ダイバーシティ推進センターの瀬山紀子准教授は「女性は経済的自立が必要ないと思われ、低賃金で非正規公務員の職を担わされてきた。これは構造的な問題だ」と指摘する。
非正規公務員問題に詳しい立教大の上林陽治・特任教授によると、日本のように正規の公務員に占める女性の割合が低いと、ジェンダーギャップ指数が示す男女の格差は大きくなる。上林さんは「非正規を正規化し、公から真っ当な雇用をつくっていかないと、最終的に困るのは住民。男女平等社会の実現のためにも、今こそ政策を転換するべきだ」と話す。(伊藤恵里奈、阿久沢悦子)
*
ThinkGender ジェンダーを考える
(ThinkGender)非正規公務員、女性しわよせ DVの相談員、低待遇に疲弊「限界」
2023年3月9日 5時00分 朝日新聞デジタル
公務員の非正規雇用への置き換えが進み、大半を女性が占めている。専門的な知識が必要な仕事でも低賃金で、多くが有期雇用だ。ジェンダー不平等を解消する旗振り役であるはずの自治体で格差が生み出され、「官製ワーキングプア」と批判されている。
「もう限界だ」。広島県内の自治体で婦人相談員の仕事を約8年続けてきた藍野美佳さん(54)は2021年春、退職を決意した。DV(家庭内暴力)に苦しむ女性を支援する仕事に使命を感じていたが、非正規の待遇の悪さに追い詰められた。
月14万円あまりの給料から税金や家賃、光熱費などを引くと、手元にほとんど残らない。夜はファミレスやホテルで清掃の仕事をし、週末もバイトを入れた。「相談員の仕事を続けるためだった」と話す。
自身も夫からDVを受け、民間シェルターの支援を受けて離婚。3人の子を抱えるシングルマザーになった。「同じ境遇の女性たちの力になりたい」と13年夏、婦人相談員になった。
啓発のチラシや相談窓口の案内を記したカードを公共施設の女性トイレに置くと、相談は1・9倍に増えた。危険度を測るため、女性たちには「相手に首を絞められたことがありますか」と必ず聞いた。階段から突き落とされた人、殴られて骨折した人がいた。
難しいケースをいくつも抱えて過労に陥り、最初の3年で2度、医師から就労不能の診断を受けた。しかし、わずかな傷病手当しか出ず、十分に休養することもかなわなかった。
コロナ禍では「夫に居場所を知られずに給付金を受けられるか」という相談が増え、心身が限界に。「仕事に見合った待遇を」と自治体に求めたが、財政難を理由に変わらない。一方で、定年を迎えた男性の正規職員が年収500万円超で再雇用されたと知り、離職に傾いた。
いま、都内で女性支援の仕事に就いている。正規職で残業代も出る。「婦人相談員は専門的な知識や経験が重要なエッセンシャルワーカー。いつまで劣悪な労働環境においておくのか」
九州地方の自治体で、ひきこもり支援相談員として働く女性(53)も、今年3月末に職場を去る。当事者に長い期間で関わる仕事だが、雇用は1年単位。ミスマッチを感じてきた。「ひきこもりが長引くと、心身の病気を招くことがあり、命に関わる仕事だ。同じように命に関わる警察や消防が非正規でいいと言う人はいないのに」と話す。
日給制で、年収にして220万円。「辞めないで」と慰留を受けているが、契約更新は2回までとのルールを一律にあてはめられ、今年は「公募の面接を受けるように」と上司に言われた。尊厳と誇りをもって働けないと、退職を選んだ。
■4分の3が女性、行政の足元で格差
1990年代半ば以降、公務員の削減が進んだ。自治労の調査では、94年に328万人だった公務員は2016年には274万人に減った。一方、定数外職員は約3倍の64万人に増えた。女性が多い事務職員や保育士、図書館職員が非正規に置き換わり、相談業務の多くも女性が非正規で担う。20年の総務省の調査では非正規公務員の4分の3を女性が占めた。
公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)の調査では、非正規公務員の79%が年収250万円未満。回答した705人のうち、92%が女性だった。
賞与を出せるなど、待遇改善を図るとして、会計年度任用職員制度が導入されたのは20年。だが、時給や労働時間を切り下げた自治体が多く、収入増にはつながっていない。「契約更新は2回まで」という自治体も多く、今春は雇い止めが大量に起きるとみられる。
埼玉大ダイバーシティ推進センターの瀬山紀子准教授は「女性は経済的自立が必要ないと思われ、低賃金で非正規公務員の職を担わされてきた。これは構造的な問題だ」と指摘する。
非正規公務員問題に詳しい立教大の上林陽治・特任教授によると、日本のように正規の公務員に占める女性の割合が低いと、ジェンダーギャップ指数が示す男女の格差は大きくなる。上林さんは「非正規を正規化し、公から真っ当な雇用をつくっていかないと、最終的に困るのは住民。男女平等社会の実現のためにも、今こそ政策を転換するべきだ」と話す。(伊藤恵里奈、阿久沢悦子)
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ブログ管理人より
大石あきこ議員の説明によると、DV相談員が非正規ゆえに、薄給過ぎて副業までして頑張るも、最終的には経済的な理由で相談員を辞めてしまう現実があるそうだ。DV相談員なのに、政府が間接的にDVしていたとはな。本末転倒だわ。これを解決するには待遇の改善、理想は正規雇用だ。
大石あきこ議員の説明によると、DV相談員が非正規ゆえに、薄給過ぎて副業までして頑張るも、最終的には経済的な理由で相談員を辞めてしまう現実があるそうだ。DV相談員なのに、政府が間接的にDVしていたとはな。本末転倒だわ。これを解決するには待遇の改善、理想は正規雇用だ。
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