安倍氏銃撃の山上容疑者、殺人罪で起訴へ 奈良地検
2022/12/24(土) 11:37配信 産経新聞
安倍晋三元首相が奈良市で銃撃されて死亡した事件で、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(42)について、奈良地検が殺人罪で起訴する方針を固めたことが24日、関係者への取材で分かった。鑑定留置の結果、責任能力を問えると判断したもようだ。勾留期限の来年1月13日までに起訴するとみられる。
捜査関係者らによると、山上容疑者は逮捕後、「母親が入信する世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に献金を繰り返し家庭が崩壊した」と説明。当初は教団トップを襲撃しようとしたがうまくいかず、安倍氏に標的を変えたとされる。
地検は裁判で刑事責任能力が争点となる可能性があることから、山上容疑者の事件当時の精神状態を調べるために今年7月25日から鑑定留置を実施。捜査上の必要があるとして期間の延長を2度請求したが、弁護側がその都度延長の取り消しを求めて準抗告し、奈良地裁が来年1月10日までとした。
鑑定留置では、担当医が山上容疑者と面談し、成育歴や生活状況などを把握。地検は容疑者が昨年春ごろから銃を作り始めたなどと説明していることから、殺害は計画的だったとして責任能力があると判断したとみられる。
一方、奈良県警は教団関係者を参考人として任意で事情を聴取しているほか、事件現場や山上容疑者の自宅から押収した手製銃の鑑定を進め、銃刀法違反や武器等製造法違反などの容疑での立件を検討。教団関連施設が入る建物に手製銃を試射したとする建造物損壊や、選挙の自由を妨害したとする公選法違反の疑いもあるとみて調べている。
安倍氏は7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で、街頭演説中に銃撃されて死亡した。山上容疑者は殺人未遂容疑で現行犯逮捕され、殺人容疑で送検された。
山上容疑者一人に注目が集まるが、この事件が起きた原因を追求すると国民の政治の無関心に行き着く。銃撃によって自民党政治の酷さが世に知れ渡ったことは皮肉なものだ。
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